アオジタトカゲを飼育していて、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
この問題の答えの一つが、彼らが本来生息している野生の環境を基準にすることです。動物の体は、本来の生息地の環境に適応するように進化してきました。そのため、飼育環境を野生に合わせると、生体により快適に暮らしてもらえるようになります。
ペット爬虫類の野生下の生息環境シリーズ、今回はアオジタトカゲにスポットを当てました。
・どんなところで暮らしているのか
・何を食べているのか
・気温はどのくらいなのか
こんな内容を取り上げます。アオジタトカゲ飼育者はぜひチェックしてください。
Eye catch photo by Mark Gillow
アオジタトカゲの代表的な種類
photo by Tatters
アオジタトカゲは亜種が多く存在します。ここで言う亜種とは、人工的に作出されたいわゆるモルフ(品種)とは異なり、野生の状態でいくつかの種類が存在することです。
ペットとして流通している種類はいくつかありますが、その中でも代表的な以下の五種を紹介します。
- キタアオジタトカゲ
- ヒガシアオジタトカゲ
- ハルマヘラアオジタトカゲ
- メラウケアオジタトカゲ
- キメラアオジタトカゲ
それぞれ簡単に特徴をご紹介していきます。
キタアオジタトカゲ
photo by Donald Hobern
主にオーストラリア北部に生息しているアオジタトカゲです。日本でもペットとして多く流通している種になります。そのため、アオジタトカゲと言えばこの種を想像する方も多いでしょう。
模様は個体差がありますが、流通している個体だと、黄色っぽい色と黒の縞模様のものがよくみられます。
全長は大きいもので60cm程度です。
ヒガシアオジタトカゲ
photo by The Reptilarium
オーストラリア北部〜東部に生息している種です。黄色〜オレンジがかった模様と、黒の縞模様があります。
大きさはこちらも最大で60cm程度。キタアオジタトカゲほどではありませんが、しばしばペットとしての流通がみられます。
ハルマヘラアオジタトカゲ
photo by Tom Lee
インドネシア出身のアオジタトカゲです。
赤茶色と黒の縞模様を持つ種。スキンク独特のメタリックな質感も合わさり、非常に美しい体色をしています。
インドネシア産のアオジタトカゲはWC個体(野生下採取個体)が販売されていることがあります。温厚な性格が魅力の一つのアオジタトカゲですが、WCはやや人馴れしにくい面があるため注意が必要です。
メラウケアオジタトカゲ
photo by Amanda Kae’s Photoz
アオジタトカゲの中で最も大きくなる種の一つで、体長が70cmを超えることもある大型種です。
インドネシアと、インドネシアと陸続きになっているパプアニューギニアに生息しています。名前の「メラウケ」は、パプアニューギニアに接するメラウケ市の地名から取られたものです。
他の種と比べて縞模様がくっきりと分かれた体色をしています。
キメラアオジタトカゲ
https://www.instagram.com/p/BpqgUuSAo2E/?utm_source=ig_web_copy_link
インドネシアのタンニバル諸島出身のアオジタトカゲです。
全長は最大50cm程度と、他の種と比べてやや小柄。黄色っぽく、縞模様の薄い色をしています。
アオジタトカゲの野生下の気温
アオジタトカゲが暮らす環境はどんなところなのでしょうか。彼らの出身地であるオーストラリアとインドネシアの気温を見てみましょう。
オーストラリアの北東部に位置するクイーンズランド州の気温データです。先ほど紹介した中だと
・キタアオジタトカゲ
・ヒガシアオジタトカゲ
がこのエリアに生息しています。
クイーンズランドの気候の特徴は昼と夜の温度差です。特に冬場に当たる5月〜8月は落差が顕著であり、最高気温と最低気温に20度近い差が出ることもあります。
オーストラリア出身の種は、寒い時期は代謝を落として低温に耐えています。この休眠状態は体に負担がかかるため、飼育下ではなるべく休眠状態に入らないよう、保温に注意が必要です。
一方、インドネシアはオーストラリアと気候が異なります。多少の変動はありますが、一年を通して暖かい気候です。
・最低気温:23度-25度
・最高気温:28-32度
このように一年を通して気温に大きな落差はありません。
安定した気温に対し、雨の量は季節によってかなりムラがあります。インドネシアには乾季と雨季があるため、1月と3月の雨量は突出して多いです。この時期は湿度も高く、非常に蒸し暑い気候になります。
一方、4月から10月は乾季にあたり、極端に雨量が少なくなります。湿度も下がり、人間にとっては比較的過ごしやすい気候です。
インドネシア出身の種を飼育する場合、冬の保温には特に注意が必要です。寒さには慣れていないので、一年中ケージ内を暖かくしておく必要があります。
アオジタトカゲの野生下の生活
photo by Thomas Williams
次に、アオジタトカゲの野生での生活を詳しく見てみましょう。
・アオジタトカゲが暮らす場所
・アオジタトカゲの餌
・天敵は体の大きな肉食獣
一つずつ詳細を解説していきます。
アオジタトカゲが暮らす場所
アオジタトカゲが暮らすのは、主に平地や草原などです。比較的ひらけた場所を好み、物陰や落ち葉の下などに身を隠しながら暮らしています。
オーストラリアに生息している種は、昆虫やカタツムリなどの餌を求めて時折民家にも姿を現します。
アオジタトカゲは昼行性の爬虫類です。そのため活動には日光浴で体を温める習性があります。オーストラリアやインドネシアなどは赤道に近く、アオジタトカゲは強い日差しの恩恵を受けて暮らしています。飼育環境を構築する際はバスキングスポットを設置してください。
野生のアオジタトカゲの餌
雑食で知られるアオジタトカゲは、野生下でも多種多様な餌を食べています。
・植物の葉や花や果実
・昆虫
・小動物
・カタツムリやナメクジなど軟体動物
などを主に餌にしています。飼育下ではやや動物質の餌を好む傾向にありますが、肉類ばかり与えるとあっという間に肥満になるため注意してください。
天敵は体の大きな肉食獣
アオジタトカゲの野生での天敵は、主に体の大きな肉食獣や猛禽類です。
・タカやワシ
・大型のヘビ
・野良犬や野良猫
などに捕食されます。
アオジタトカゲの武器は、力の強いアゴと体を覆った硬い鱗、威嚇用の真っ青な舌です。しかし、機敏な動きが苦手なので、鋭い牙を持った捕食者にはしばしば襲われ餌にされます。
また、餌を求めて民家に入ってしまった場合、不幸にも芝刈り機の餌食になってしまうこともあるようです。
野生下の環境を飼育下で再現する方法
photo by Yu-Chan Chen
アオジタトカゲの野生での環境を飼育下で再現するには、どんな方法があるでしょうか。ここでは、比較的挑戦しやすい以下の三点をご紹介します。
- 日向ぼっこのできるスペースを作る
- ケージの広さを確保する
- 餌のバリエーションを増やす
一つずつ詳細を解説します。
日向ぼっこのできるスペースを作る
アオジタトカゲだけではなく、昼行性のトカゲは日光浴を好む動物です。そのため、日光の熱と紫外線が必要になります。
アオジタトカゲの飼育者の中には、紫外線ランプを設置せずに飼育している方もいます。しかし、野生下のアオジタトカゲは日光を浴びる性質があるのです。
紫外線ランプがなくてもすぐに病気になることはないかもしれません。しかし、より健康に育て、病気の可能性を少しでも少なくするという観点から、紫外線ランプの設置をおすすめします。
バスキングスポットにはバスキングランプと紫外線ランプを設置し、温度は35度から39度程度になるようにしましょう。それ以外のエリアは20度から27度程度になるように維持しておきます。
・バスキングスポットは35度-39度
・それ以外のエリアは20度-27度
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ケージの広さを確保する
アオジタトカゲは、最大で全長70cm以上になる大型のトカゲです。ケージにもそれなりの広さが必要になります。
小さいケージはアオジタトカゲの生活エリアを制限するだけでなく、温度勾配もつけにくくなります。バスキングスポットの熱から逃げる場所がなくなり、熱中症になるリスクも無視できません。
アオジタトカゲのケージは、小型種でも最低90cm程度は確保したいところです。体の大きい個体であれば120cmケージが必要になります。
・ケージは最低90cm
・大きいものなら120cm
餌のバリエーションを増やす
ご存知の通り、アオジタトカゲは雑食の生き物です。食べられるものの幅が広いので、餌の種類を増やすのは栄養バランスの面からもおすすめです。
アオジタトカゲは、爬虫類の餌ならほとんどのものを食べられます。
・冷凍マウス
・野菜や野草
・リクガメやフトアゴ用のフード
・アオジタフード
・昆虫
・昆虫食用フード
・卵
・カタツムリの缶詰
その食性の広さから、他の生体の食べ残しを食べてくれるため、親しみを込めて「残飯処理班」と呼ばれることもあるほどです。
餌の種類を多く揃えるのは手間もかかるため、つい単調な給餌になることもあるでしょう。ですが、せっかく雑食のトカゲを飼っているので、無理のない程度に餌の種類を増やすのも楽しいですよ。
まとめ
アオジタトカゲの野生での暮らしと生活環境をご紹介しました。
アオジタトカゲは、丈夫で幅広い気候に適応できる爬虫類です。種類も多いため、まずは自分の飼育している種の出身地をチェックしてみましょう。
本来暮らしている場所が分かれば、どんな環境でどんな生活をしているのか把握できます。野生環境の状況をある程度飼育環境に反映させることで、生体にとってより快適な環境作りが可能です。
飼育環境を見直す際は、ぜひ今回ご紹介した内容を取り入れてみてください。
ライター:いちはら まきを
Twitter:@IchiharaMakiwo

