これから飼育を始める人向け

トノサマガエルってどんなカエル?特徴や飼い方を解説

トノサマガエルという名前を知らない人はいないのではないでしょうか。
それほどまでに日本では特に馴染みのあるカエルの一種です。

田んぼや池の近くに行くともしかしたら野生のトノサマガエルに出会えるかもしれません。
今回はそんなトノサマガエルの生態や飼い方について詳しく説明していきます。

 

目次

1.トノサマガエルとは
・どんなカエル?
・名前の由来
・大きさや見た目
・よく似たカエル

2.トノサマガエルの飼育に必要なもの
・飼育ケース
・床材
・餌
・レイアウトを楽しんでみよう

3.基本的なお世話

4.トノサマガエルの繁殖について
・オスとメスの見分け方
・トノサマガエルの卵
・トノサマガエルのオタマジャクシ

5.トノサマガエがいなくなる?

6.トノサマガエルを飼ってみよう!

トノサマガエルとは

どんなカエル?


トノサマガエルはカエル目アカガエル科トノサマガエル属に分類されるカエルの一種です。
本州、四国、九州と日本国内に広く分布しています。

北海道には今まで生息していなかったようですが、
学校教材として持ち込まれた個体が野生化し定着し始めているようです。

主に平野部から低山にかけての池や水田付近に生息しており、
特に繁殖期の4~6月になると姿を見る機会が多くなります。

水中や陸上問わず、動きはとても素早いです。
泳ぐスピードやジャンプ力はトノサマガエルの誇るべき特徴です。

名前の由来

トノサマガエルという特徴的な名前をしていますが、
なぜこう呼ばれるようになったのでしょうか。
見た感じでは殿様感はあまり感じられませんが・・・

実はトノサマガエルが敵に遭遇した際の威嚇スタイルが由来になっているのです。
蛇などの天敵に遭遇した際、トノサマガエルはお腹をぷくっと膨らませて
体をのけぞらせて相手を威圧します。

その姿が家来たちに対して威張っている殿様のように見えるため
この名前が付けられたと言われています。

大きさや見た目


大きさはオスが38~80㎜、メスが63~94mmとメスの方が大きくなります。
日本のカエルの中では中型のカエルになります。
ウシガエルやヒキガエルはずんぐりとした体型をしていますが、
トノサマガエルはほっそりとスタイリッシュな見た目をしています。

後ろ脚が長く脚力があるため、とても高くジャンプすることができます。
小さな体で1m近くジャンプすることができるので驚きますよね。

体色は性別によって少し違い
オスは茶色や緑っぽい色をしていますが、メスは灰や白っぽい色をしています。
背中の黒い斑点が特徴的です。

よく似たカエル

昔は日本全国にトノサマガエルが分布していると考えられていましたが、
調査により西日本の一部に生息しているのはダルマガエルで、
関東平野から仙台平野にかけて分布しているのはトウキョウダルマガエルであることが
判明しました。

2.トノサマガエルの飼育に必要なもの

飼育ケース

ケースを選ぶ際には以下の3つのポイントに注意しましょう。

・横幅が45㎝以上あるもの

・蓋がついていてしっかり閉じられるもの

・ケース内に水場と陸地をつくる

飼育ケースは水槽や虫かごなどを使います。
ジャンプ力があるので蓋がついていなければ簡単に脱走されてしまいます。
1匹飼いでも底面積と高さに余裕のあるケースを選びましょう。

しかし環境に慣れるまでは落ち着かず、ぴょんぴょん跳ねてケースの壁面や天井に
ぶつかってしまうことがあると思います。
心配であれば、蓋とケースの間にタオルを挟んで緩衝材にするなどの工夫をしましょう。
あげましょう。
またトノサマガエルは半水棲のカエルなので、ケース内には水場と陸地が必要です。
好きな時に水場と陸地を行き来できるようにして
水場はトノサマガエルが簡単に出入りでき全身が浸かれる深さの容器を入れて作ります。

床材

飼育ケース内に敷いて使います。
床材には以下のものがよく使われています。

最も自然に近い環境になります。園芸用の腐葉土は安価で吸水性がいいので湿度を保ちやすかったり、余分な水を吸い取ってくれて便利です。
ソイル カエル用のソイルが販売されています。活性炭が含まれておりフンなどの臭いを抑えることができます。
キッチンペーパー コストがかからず汚れが目立つので頻繁に飼えることができますが、保湿を持続させるのは難しいです。
ウールマット 安価で必要な分だけ切って使えるのでコスパが高いです。硬さによってはすぐに穴を開けられたりケガの原因になってしまいます。
水ゴケ 園芸用品として販売されています。保水力がよく柔らかいのでカエルが脚をケガしにくいです。潜りやすいので冬眠にも向いています。

床材として使えるものはさまざまですが、湿度を保てることや素材の柔らかさなどの点から
土を使用するのがおすすめです。

カエル全般に言えることですが、トノサマガエルは乾燥に弱いためケース内の湿度には注意が必要です。
保湿するには床材に霧吹きをして水分を保たせます。

土であれば湿りやすいので湿度をより長く保つことができます。
また彼らがもともといた池や水田付近の地面の雰囲気に近づけることができるので
土を使うことでトノサマガエルにとって過ごしやすい環境になります。

ただ土によっては保湿性が悪くすぐに乾燥してしまうものや
農薬などを使用している危険なものもあるので、
無農薬の腐葉土を選ぶのがいいでしょう。

トノサマガエルは肉食で自然では昆虫をメインに、
口に入る小型のカエルやヘビも食べてしまうようです。
基本的には口に入りそうなサイズの動くものは何でも食べようとします。

最近では爬虫類や両生類を飼育する人が増えてきたので、
ペットショップに行くとさまざまな餌が販売されています。
手に入れやすい餌は以下のようなものがあります。

コオロギ メインでよく使われており、SS~Lサイズまで幅広いサイズ展開があります。ストックしておくにはコツがいります。
ミルワーム 冷蔵保存するので管理がとても楽です。あまり動かないのでエサ皿に入れても逃げずらく与えやすいです。
デュビア 海外のゴキブリです。大きなサイズのものが販売されていることが多いでの購入時に注意してください。管理しやすく簡単に増やすことができます。
ワラジムシ カルシウムが豊富です。他の餌より販売しているところは少ないかもしれません。
人工飼料 肉食魚用やカエル用の人工飼料を与えます。食べる個体と食べない個体がいるので、食べればラッキーくらいに思っておきましょう。

爬虫類や両生類を飼育している人の中で最も定番とされているのがコオロギです。
ペットショップやホームセンターで販売されていて簡単に入手できます。

少し多めに買って家にある余った虫かごに入れておこう!と思うかもしれませんが、
それが結構難しいのです。

コオロギは意外にも繊細でストレスに弱いので、
ちゃんと管理しなければすぐに死んでしまいます。

餌になる虫の管理までする自信がないという方はミルワームがおすすめです。
カップにたくさん入っており冷蔵庫で保管するのでとても楽です。

ただどの餌を与えるにしても、栄養剤を必ず添加するようにしましょう。
栄養剤にはトノサマガエルの成長に必要なカルシウムやビタミンが含まれています。
餌となる昆虫にまぶして与えましょう。

レイアウトを楽しんでみよう!


飼育に慣れてきて飼育ケースのサイズに余裕があれば、レイアウトを楽しんでみませんか?
具体的には植物や木の枝などを入れてより自然に近づけた環境を作ります。

・植物は丈夫なものを選ぶ

・木や枝を入れてみる

トノサマガエルにとっては隠れる場所が増えたり、植物が土の中の余分な水分を吸収してくれるのでより良い飼育環境にすることができます。

植物は丈夫なものを選びましょう。
ポトスは強い光がなくても育つ丈夫な植物なのでおすすめです。
また枝などを入れると登る姿が見れたり、水場に置けば掴まることもできます。

3.基本的なお世話

トノサマガエルを飼育する上で気を付けるべきことは以下の3点のみです。

・餌やりは2~3日に1回

・フンなどの汚れはすぐに取り除く

・霧吹きで湿度を保つ

まだ幼い個体であれば毎日か1日おきに与えます。
成体は与えすぎると肥満になってしまうので、2~3日に1回にします。
ピンセットで1匹ずつ与えてもいいですし、ケース内に放って食べさせてもいいです。
その場合食べ残した餌はそのままにせず回収しましょう。

餌やりの後はフンをしていないかよく観察しましょう。
見つけ次第すぐ取り除きます。
床材はできれば1か月に1回交換しましょう。

また水場の水はできるだけ毎日交換します。
カエルは水分補給を口ではなく皮膚から行います。
そのため水場の水が汚れていれば、トノサマガエルが弱ってしまいます。

湿度を上げるための霧吹きの目安は1日2回です。
季節によってはすぐに乾いてしまうかもしれないので、様子を見ながら回数を変えます。

4.トノサマガエルの繁殖について

オスとメスの見分け方

トノサマガエルの性別は、体色と鳴き声で見分けることができます。
まずオスの体色は緑や茶褐色、メスは灰や白色っぽい体色をしています。
4~6月の繁殖期に入ると、オスは「婚姻色」といって
全体的に黄色がかった体色に変わるのでより違いが分かりやすいです。

また繁殖期にはオスはメスを誘うために
喉を膨らませて「ググググッ」と言った鳴き声で大きく鳴きます。
メスが鳴くことはほとんどありません。

トノサマガエルの卵

メスは1度の繁殖期に1度だけ産卵します。
1度に産卵する卵の数はなんと2,000~3,000個だそうです。

田んぼなどで見たことある方も多いかもしれませんが、
生まれた卵は1.5mmほどと小さく、寒天のようなものに包まれています。
卵は1週間ほどで孵化し、オタマジャクシが生まれます。

トノサマガエルのオタマジャクシ


生まれてから大人と同じ見た目になるまでの期間をオタマジャクシと呼びます。
この段階からトノサマガエルの特徴の1つである斑点模様がうっすらと背中に見られるので、他のカエルのオタマジャクシとの見分けがつきやすいです。

この時期は水の中に生えている植物や藻、底に落ちている枯れ葉などを食べています。
徐々に成長して姿を変えていく様子は観察しているととても面白いです。
先に後ろ脚が生え、次に前脚が生えてきます。
その後尻尾が吸収されていきカエルの姿になります。
その年の秋までには変態して地上で暮らすようになります。

5.トノサマガエルがいなくなる?

昔は田んぼの近くにいくと簡単に見つけることができましたが、
現在は見かける数が少なくなっています。
現在トノサマガエルは環境省によりレッドリストの準絶滅危惧に指定されています。

その理由は水田の減少による環境変化です。
農業従事者が減少していることで現在田んぼがどんどん無くなっています。
これによりトノサマガエルが生活し繁殖できる場所が減少しています。
またダルマガエルなどの近縁種やトノサマガエルよりも大きな他の生物との
競争に負けているのも要因とされています。

天然記念物ではないので、自然で見つけたトノサマガエルを
捕まえて持ち帰っても大丈夫です。

また爬虫類専門店などでは販売もされています。

当たり前にいたトノサマガエルが今絶滅の危機に瀕しています。
もし野生のトノサマガエルを捕まえたら、責任をもって大事に最後まで飼いましょう。

また地域によっては現在の分布調査をするために、
トノサマガエルを見かけた場所などの報告を求めているところもあります。
絶滅させないためにも、自分たちができることをしてトノサマガエルを守りましょう。

6.トノサマガエルを飼ってみよう!

トノサマガエルについて生態や飼い方を紹介しました。
簡単に飼育することができるので、ペットを飼育したことがない方にもおすすめです。
飼育する場合にはトノサマガエルが安心して過ごせる環境を準備してから
迎えるようにしましょう。
またお世話はそこまで大変ではないので欠かさないようにしてください。

トノサマガエルは日本の田園風景になくてはならない存在です。
もしこの記事をきっかけにトノサマガエルに興味を持った方は、
是非飼育にチャレンジしてみてください。そして野生のトノサマガエルが今どんな暮らしをしているのか、自然に目を向けてみてください。

トノサマガエルの寿命は3~5年と言われています。
飼育するのであれば最後までしっかりお世話してあげましょう。